2010年07月08日

毎日続ける

毎日続ける

「ルーティーン」という言葉をご存じか。

「ルーティーン」を辞書で調べると、「決まり切った仕事」だそうだ。

以前、何かのTV番組で、シアトル・マリナーズのイチロー選手が
「毎朝」カレーを食べていると聞いた。

そう「毎朝」である。

彼は、好調な時も不調な時も自分のサイクルを変えないらしい。

スポーツ選手は「勝負師」であるがゆえ、「ジンクス」や「ゲン」をかつぐ。

好調な時に使用したタオルなどを、ここ一番の時に使ったりする。
逆に、不調な時は「あえて」いつもと違うことをしたりするらしい。

しかし、イチローは、違った。

好調、不調に限らず、毎朝カレーを食べ続け、いつものように練習をし、
いつものように打席に立つ。

これ、やってみると分かるが、簡単なことではない。

確かに、イチローのプレーを見ていると、ある一定の決まりごとに重きを置いている節を感じる。
バッターボックスでのしぐさ、ポジションにつくまでの歩数などである。

そこは本人に聞いてみないと分からないから憶測の域は出ないが、
そのルーティーンを守っているからこそ、イチローの強さにつながっているような気がしてならない。

しかし、果たして、このルーティーンを作る。
つまり、「決まりごとを実行する」という本来の意味はどこにあるのだろうか。

「バッターボックスに入るまでに自分の間合いを作る」という人もいるが、
イチローがそうだったように、ルーティーンにはバッターボックスだけではなく、
日常生活からのルーティーンがあることも忘れてはならない。

そして、そのことが強さを生むことにつながるのだ。

 
「これだ」、と決めたことを実践し続ける力。
そこに選手として強さがあると思う。


ある、弱小ラグビー部が、ある日突然全国大会へ出場した。

その、ラグビー部キャプテンを取材陣が取り囲む。

「自分達の調子が良いのは、決まりごとをずっと続けてきたからだと思います」

そのほとんどが日常生活によるもので、食事面、生活面と彼は力説していた。
なかでも、記者たちが静寂になったのは、こう発言した時である。

「食べるものもそうなんですけど、起きる時間はいつも決めていますし、花園に来てからは
 集合時間が試合によって変わりますけど、どの時間でもロビーには10分前につくように、
 ずっと続けています。それが今の力になってきたのかなと思っています」

自分の決めたことを実践する。

全国大会に出たからではなく、続ける。
そのことが、選手自身にひとつの間を作り、自信として植え付けられるのである。

チームの監督は言う。

「チームが、力をつけるようになったのは、ラグビーだけに力を入れたわけではない。
 約束事を決めて、それを実行する。
 弁当箱は洗ってお母さんに返すとか、練習着は自分で洗えないまでも、
 洗濯場までは自分で運ぶとか。それをやっているかどうかは、僕にはわからないんですけど、
 選手たちが上手くなってきた時期と保護者の方から、
 『ウチの子が弁当箱を洗うようになった』という声が入ってきた時期が重なっているんです。」

日常生活で決めごとを作って、それを実践しているということは、人間としての芯が出来上がる。
心がぶれないのである。
その心の成長とともに、技術的に伸びて強くなったのだ。
 
選手にとってはラグビー部の顔や、家での顔、学校での顔などさまざま持っている。

だが「場面・場所・対人」によって変わるようでは、それは真の力ではないということになる。

どの場面においても変わらない自分がいるから
『監督の前だけでなくても、自分を律する自分がいるから』心が安定するのである。

それらを「ルーティーン」とまとめてしまうかどうかは分からないが、
決めごとを実践し続けていくこと、丁寧に言うと「実践し続けられること」が大きな力になる。

改めて実感した。



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