2010年06月19日

ラグビー感 それぞれ

ラグビー感 それぞれ

ボールで遊ぶ面白さを知った人間は、スポーツとしてフットボールを作り
さらにボールを蹴ることに、持って走ることを加えた競技を創造しました。

ボールを持って走ると相手が捕まえにきます。
相手の防御によって、持って走るだけでは目的地に到達できないとき、
チームメートにボールを渡して攻撃を引き継いで貰おうとするのは当然且つ必要なことです。
そこで、一人二人と手渡していくプレーが工夫されました。

相手が捕まえに来ても易々と捕まらないようにしたり、捕まってもボールをパスしようとするために
激しくぶつかるようになり「組み打ち」も多くなりました。

ラグビーといえば、激突、激闘という言葉がついて回り、格闘技であることがしばしば強調されます。

確かにラグビーでは身体をぶつけ合ってボールを取り合いますが、
ぶつかりながら「ランニング」と「ハンドリング」(時には「キッキング」も)
の技能を駆使して得点を競う競技です。

「ランニング」と「ハンドリング」はラグビーの面白さの要素で
楽しむためにも、試合で勝つためにも、最も重要な課題だと思います。

それらの要素をプレーとして、戦い方の要領として言葉にしたものが
「展開・継続とスピーディ」ではないでしょうか。


「ゲーム発祥200周年」が目前です。

一つの卵型のボールを追って多くの人々がラグビーを楽しんできました。

プレヤーとその家族、街の人々、学校でそしてクラブで、愛好者たちは工夫を重ねて
すばらしい競技に育て上げてきました。

グローバルに、世界中に広まりました。

その間、より楽しくするために、ルールを作り、公平・展開・安全をモットーに改正を繰り返されました。

最近非常に重大なルール改正がなされました。
プレヤーが、地上に倒れたままの状態でプレーすることが許されないのは、絶対的なことでした。
寝ころんだ状態でプレーするのはフェアーでなく、踏まれたりしても責任は自身にある
という観念でしょう。

禁止しなければ危険であり混乱を招く元になるからです。

しかし、現代ラグビーはハンドリングゲームとして進化する過程で、
この根本的なことをも改革しました。

タックルされた状態で、「直ちに」することを条件に、
パスをしてよいし、地上のボールを押し動かしても良いということになりました。

徹底的にハンドリングによってプレーの継続を追求していくことが、ラグビーのめざすところであり、
面白さの根源であるという認識からです。

そこで、正当にボールの後方からラックに入ったプレーであっても、
ボールを越えて地上に倒れたならば、プレーの継続を阻害したということで
反則とするレフリングがなされるようになってきています。

「ルールを守る」ということは
「そのルールが目指しているところを理解して、ルールが生きるようにする」ことであって
(何もわからないけれども)決められたのだから仕方なく従うというのでは、プレーに差が出てきます。

形だけルールの言葉通りにしても、人間の行動に差ができて、小さな相違が集まって
大きな差となって拡大し似て非なるものになってしまうものです。

ルールをよく読めば「猪突猛進型でボールを離さないラグビー」から
脱皮しなければならないことに気付くでしょう。

ハンドリングを継続して、ルールを活かせばプレーは継続する筈ですが、
多くのゲームの現状を見ると、ルールが十分生かされていないと言わざるをえません。

ルールの一貫性を理解せず、バラバラに解釈するものだから
方向違いのものになってしまっているのです。

「激闘・ぶつかり合い」という言葉に酔っていてはいけません。
防具をつけてぶつかるアメフトと違って、ボールを取り合うときに身体が触れるということであって
触れないでボールを確保できれば一番よいわけです。

組み合って押しあうスクラムも、ボールを入れる前にポイントを越えて押せば反則です。
相手に体重をかけていることが有利だから、押すように指導されるのですが、
それはゲームの一瞬であり一端であって、所詮、ハンドリングで勝負を決する競技です。

ラインアウトも、ボールを捕るために跳び上がり身体が触れるのはしかたないところですが、
ボールをもったプレイヤーを回りのプレイヤーがパックして一団となって相手に当たるのは反則です。

「当り合いそのもの」と見えるタックルも
「ボールをもっている相手をいかに捕まえるか」というプレーで
「相手の展開継続を阻止するために、いかに捕まえるか」が問題であって、
強く当たって相手をやっつけるだけのプレーではありません。

ラグビーの原点をしっかりふまえ、
各々の身体的劣性を克服し、長所を生かし、現状の追随に留まらず、
「目指している先」を追求することこそが重要なのではないでしょうか。




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