2010年07月14日
君の「やる気スイッチ」 どこにあるんだろう

スポーツ選手には競技人生の中で
「競技に対する取り組み方が大きく変わった原点」となるような出来事がしばしばあります。
スポーツ選手の「転機(ターニングポイント)を調べたことがありますが、
スポーツ選手にとって転機の経験は、やる気を高め、
競技に積極的に取り組む姿勢を形作る重要な役割を果たしています。
たとえば、バルセロナオリンピック「柔道」金メダリストの古賀稔彦選手の経験した出来事です。
古賀選手はソウルオリンピックで優勝候補の筆頭に上げられながらも、
3回戦敗退、敗者復活戦にも出られず、メダルなしに終わってしまいます。
「今なら笑って言えるが、20歳の私にはショックだった。
誰も信用できないと言う気持ちから、しばらくは人を警戒するようになっていたと思う。
しかし一番ショックだったのは、帰ってきてから見たテレビのビデオ放送である。
ソウル五輪の柔道会場で私がテナーゼ選手に負けた瞬間、観客席の両親が映った。
そのとき、両親はまわりの人たちに謝るように頭を下げていたのだ。
2人の気持ちを思うと胸のつぶれる思いがした。戦っていたのは私だけではない。
両親も観客席で私と同じように闘っていたのだ。
しかし、こんな親の姿は二度と見たくなかった。
周りの人たちに祝福され、喜んでいる姿を見たい。
そう思ったときに、帰国直後からの鬱屈した気持ちは消えていた。
両親を喜ばすには、いつまでもマイナス思考でいてはダメだ、と。」
『古賀稔彦 世界を獲った男、その生き方(東京学参)』より
スポーツ選手の中には、前向きに進もうとして、過去を振り返ることを嫌う人もいます。
過去を振り返ることが後ろ向きの考え方のように思うのでしょう。
しかしながら、実は過去を振り返ることは必ずしも後ろ向きな姿勢だと限ったことではありません。
スポーツ選手の原点となる出来事の記憶はいわば「やる気のスイッチ」なのです。
かつて「やる気のスイッチ」が入った出来事を思い出すことで、
再び「やる気のスイッチ」を入れることが可能になるのです。
過去を振り返ることで、前向きに進むエネルギーを得ることも可能なのです。
過去を振り返るのは、しばしば忘れてしまうやる気のスイッチのありかを探すことなのです。
「あなたのやる気のスイッチはどんな思い出ですか?」
Posted by hamakorfc at 09:30│Comments(0)
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