梅雨真っ只中です。
ジメジメ、ムシムシ鬱陶しい日が続きます。
雨が多いとグランドでの練習も十分できず、フラストレーションも溜まりがちですが
この時期だからこそできるトレーニングは必ずあります。
皆で相談しつつ色々チャレンジしてみてください。
練習は、絶対に裏切りませんから。
さて、皆さんは試合や練習中に足がつった経験はありませんか?
不意に筋肉がけいれんするとプレーが十分に出来ないばかりではなく、痛みが伴いつらいですよね。
今回はこれから暑くなるシーズンに向けて、足がつる原因と
その対処法、予防策などをお話したいと思います。
筋肉のけいれんは、筋肉のある部位であればどこでも起こりうるものですが、
特にふくらはぎの筋肉や太ももの裏側(ハムストリングス)の筋肉、腹筋などによく見られます。
いわゆる「足がつる」という症状は、足の筋肉が不意に細かく収縮・けいれんを起こす状態で、
ふくらはぎの場合には腓腹筋(ひふくきん)のことを指して、
「こむら返り」と呼ばれることもあります(「こむら」とは腓腹筋のこと)。
筋肉のけいれんは激しい運動中や運動した後に起こることが多く、
疲労がたまっている場合などは安静時や就寝時にも起こります。
足がつる原因としてはさまざまなものが考えられますが、
疲労によるもの、脱水などの水分不足によるもの、血液中のミネラル分不足によるもの、
体温低下などによるもの、食後などで筋肉への血流が不足している状態などです。
運動すると筋肉は必ず収縮しますが、このときにナトリウム(いわゆる塩分)、
カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル分が必要になります。
しかし運動をして汗をかき、脱水状態に陥ると
ミネラル分や水分不足から筋肉がうまく働かなくなり、筋肉に指令を出す神経が興奮して
けいれんを起こします。
運動中の筋けいれんは、筋肉の疲労に加えて水分やミネラル分が不足しがちなため、
これからの要因が重なって起こることが多いようです。
また経験則から付け加えると、試合などで人工芝でプレーを行う場合、
土のグランドよりも足がつりやすい傾向が見られます。
普段練習を行う場所と違って人工芝のグランドに慣れていないこともあり、
筋肉への負担や疲労が土のグランドと比べて大きいことが原因の一つではないかと考えています。
さてプレー中やベンチにいるときに足がつってしまった場合、
まずはあわてずゆっくりと足を伸ばしてストレッチを行うようにしましょう。
息を吐きながら行うと筋肉もゆるみやすくなります。
一人で行うことがむずかしい場合は誰かに手伝ってもらってパートナーストレッチを行いましょう。
また筋肉を軽く擦ったりほぐしたりする事や温めることも効果的です。
ケガをした際の多くはRICE処置を行うことが基本ですが、
足がつった場合などの一時的な筋肉のけいれんは、血流不足が原因ですので、
冷やすのではなく温める、固定ではなくより積極的に動かすことで、血流を増やすようにします。
(※筋肉のけいれんが長く続くと、筋肉の肉離れを起こす場合があります。
ストレッチをしたり、ほぐしたりしても痛みが変わらない、痛みが増す場合は
プレーをやめてRICE処置を行う必要があります)
足がつらないよう普段から心がけられることとしては、水分・塩分の補給です。
練習や試合のときなどは、水分補給の回数が減ってしまうことがありますので、
スポーツドリンクをこまめに飲むことが予防にもつながります。
ただしスポーツドリンクには塩分とともに糖分も含まれているため、体内への吸収効率を考えると
糖分濃度を3%程度(2~3倍程度に薄めたもの)にすることが理想的です。
また基本中の基本ですが、運動前にはしっかりとウォームアップを行って
体温・筋温を上げるようにしましょう。
ミネラル分の補給として、特に不足しがちと言われているマグネシウムについては
アーモンドや大豆、ひじきなどを摂取することが予防に効果的です。
カリウム補給については代表的なものにバナナがあります。
このようなことを踏まえて、試合のベンチ裏ではスポーツドリンク(を薄めたもの)や
バナナ、さらには糖分補給と合わせてアーモンドチョコレートなどを準備するといいでしょう。
アーモンドチョコレートは個人の好みにもよりますが(口の中が甘ったるくなるのを嫌う選手もいる)
筋けいれん予防にはマグネシウム補給に加えてエネルギー源である糖分も補給できる為
一石二鳥。
いつも足がつって困る、という選手にはこういった補食もうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。