もう一つのストーリー

hamakorfc

2010年11月15日 17:28

どんなドラマにもサイドストーリーはある。

ラブストーリーにも実は大爆笑の裏話が存在したりする。

11/14、全国国高校ラグビー静岡県予選準決勝にも、ちょっとしたサイドストーリーがあった。




2010年、浜工ラグビー部の3年生は総勢7名。
ラグビーをプレーするには15人必要である。

この体制から今年の浜工ラグビー部はスタートした。

最初は不安だったと聞く。
スタメンの半数以上を下級生に頼らなければいけない。

しかし、全国的に高校ラグビー人口は減少している。
けして珍しい事でもないのも事実。

幸い、すぐ下の下級生は25名いた。
必死の勧誘で1年生も15名入部した。

少ない人数ながらも必死で牽引した3年生。
ケンカもしたが、結束には自信があった。

そんな中、初秋の遠征で3年生の一人がケガをした。
骨折だった。

花園予選はもうすぐ目の前の出来事。

彼の気持ちを思うと胸が痛む。

必死で治療し、リハビリもこなし、なんと走れるくらいに回復した。
医者の答えは「ノー」だった。

準決勝の前日、彼は監督に直訴した。
「僕は大丈夫です。」

監督の答えも「ノー」だった。
監督はこう言った。

「大丈夫。準決勝は勝つから。決勝でたのむ。」



ノーサイドの笛が無情にも響く。

アップの時点から、人一倍声を出していたのは彼だった。
ピッチの脇から、仲間に激を人一倍飛ばしていたのも彼だった。

「先輩。すみません。」
泣きながら謝る後輩を、人一倍気遣っていたのも彼だった。


彼はラグビーと出会って、かけがえのないモノを手に入れる事が出来たと思う。
それは下級生へ、そのまた下級生へ永遠に繋がっていくモノだろう。

私は、息子が浜工ラグビー部である事を誇りに思う。

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