もう一つのストーリー
どんなドラマにもサイドストーリーはある。
ラブストーリーにも実は大爆笑の裏話が存在したりする。
11/14、全国国高校ラグビー静岡県予選準決勝にも、ちょっとしたサイドストーリーがあった。
2010年、浜工ラグビー部の3年生は総勢7名。
ラグビーをプレーするには15人必要である。
この体制から今年の浜工ラグビー部はスタートした。
最初は不安だったと聞く。
スタメンの半数以上を下級生に頼らなければいけない。
しかし、全国的に高校ラグビー人口は減少している。
けして珍しい事でもないのも事実。
幸い、すぐ下の下級生は25名いた。
必死の勧誘で1年生も15名入部した。
少ない人数ながらも必死で牽引した3年生。
ケンカもしたが、結束には自信があった。
そんな中、初秋の遠征で3年生の一人がケガをした。
骨折だった。
花園予選はもうすぐ目の前の出来事。
彼の気持ちを思うと胸が痛む。
必死で治療し、リハビリもこなし、なんと走れるくらいに回復した。
医者の答えは「ノー」だった。
準決勝の前日、彼は監督に直訴した。
「僕は大丈夫です。」
監督の答えも「ノー」だった。
監督はこう言った。
「大丈夫。準決勝は勝つから。決勝でたのむ。」
ノーサイドの笛が無情にも響く。
アップの時点から、人一倍声を出していたのは彼だった。
ピッチの脇から、仲間に激を人一倍飛ばしていたのも彼だった。
「先輩。すみません。」
泣きながら謝る後輩を、人一倍気遣っていたのも彼だった。
彼はラグビーと出会って、かけがえのないモノを手に入れる事が出来たと思う。
それは下級生へ、そのまた下級生へ永遠に繋がっていくモノだろう。
私は、息子が浜工ラグビー部である事を誇りに思う。
関連記事