強い選手や精神的に安定している選手は、自分なりの「哲学」を持っていると思っています。
それは勝つ経験で身につけたものだったり、逆に挫折経験から見出したものだったりするのですが
いずれにせよ彼らの哲学には、経験に基づいた説得力があり、
それが精神的強さと競技に向うエネルギー(やる気)を生みだしています。
それぞれの選手によって、彼らの持つ哲学のあり方は異なります。
例えば、ある人は
「自分には勝利への執念が必要」
だと言います。
それは、彼がギリギリの勝負所を落として、負けてしまった経験を持っているからです。
またある人は
「自分にはクールな競技への取り組みが必要」
と言います。
それは彼がこれまでプレッシャーで自分の力を十分に発揮できなかったからであり
その克服のためにクールな気持ちが有効であることを知ったからです。
私は、強い精神を培う事において、どのような心理的状態がベストなのかは
一人ひとり方向性が違うと考えています。
また個人の中でも、その時の必然性によって「クールな気持ち」あるいは「熱い気持ち」といった
正反対のことが求められる場合もあるでしょう。
それまでの「競技経験や心理状態のあり方」によって「何がベストであるか」が変わるのです。
何かひとつ正しい方向性があるわけではないと思います。
大切なのは「自分を知ること」
「自分自信を知る」ことが大事なのは、自分がどこに向かうべきなのかは
自分のそれまでのあり方から必然的に見えてくるものだからです。
一人ひとり異なった自分が目指すべきものを「哲学」と呼んでいるのです。
結局、一人ひとりの「人生哲学」という言葉があるように、「競技人生哲学」が異なるからなのです。
「あなたの競技人生における哲学は何ですか?」
答えは一人ひとりの中にあると思います。